クロマグロは高級食材として人気があり、特にトロはマグロの中でも最高級品の食材として、グルメにうるさい人たちの間でも大人気。
最近ではクロマグロの乱獲に対して、環境保護団体等からクレームが上がり、科学者も漁獲枠の大幅削減を唱えるほど。
もっともここ数年のグルメブームによって、高級な食材にお金をつぎ込む人が増えた為、クロマグロのトロに対する関心が高まってしまったのでしょう。
もっとも高級魚たちの中には乱獲による数の削減を治めるため、ブリや真鯛のように養殖される魚達も増えています。
クロマグロも養殖されていますが、今までは5歳魚にならないと産卵してくれない状態だったのです。つまり養殖するにも時間が掛かりすぎて、結局思ったほどの結果が出ていませんでした。
天然の幼魚(ヨコワ)から育て上げて、5歳にならないと産卵してくれないわけですから、大量養殖が難しかったのです。
ところがここに来て独立行政法人水産総合研究センターが、奄美栽培漁業センター(鹿児島県)で、3歳魚の産卵を今年初めて確認したのです。
同センターの発表によると、3歳魚を直径40メートルの網の中に250匹という高密度な環境で飼育したのが成功の原因だとか。
クロマグロのような回遊型の魚の場合には、その習性が中々分からないのですがどうやら高密度の中にいると、産卵が早まってくれるようです。
しかも養殖ならば3歳魚で約100キロ、5歳魚約150キロ、10歳魚約400キロと天然魚の倍の速度で成長してくれるそうなので、価格的にも安くなる可能性が高くなります。
もちろん魚は養殖よりも天然ものの方が味が良く、真鯛でも本当に高級な天然ものは高級料亭等でしか食せ無いもの。
クロマグロの養殖が成功するとともに漁獲高が減ると、今後はスーパーで養殖ものが安く手に入る換わりに、天然ものは中々食べられなくなるかもしれませんね。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070812-00000907-san-bus_all