サッカー日本代表にとっては、連覇が掛かるアジアカップ。初戦のカタール戦では主導権をとりながらも、終了間際に追いつかれて引き分け。連覇はおろか1次リーグ突破にも苦労をしそうな、厳しい状況になってしまいました。
サッカーの世界で日本の代表チームが常に言われ続けているのは、決定力のなさと集中力が欠けること。今回もまさに後半43分の失点ですから、ここぞの時の守りの集中力が欠けてしまったのでしょう。
この引き分け試合に対して、オシム監督は相当な怒りようだったらしく言葉を荒げたようです。通訳の千田氏が思わず泣き出してしまうほどの発言だったことから、相当なものだったのでしょう。
実際にオシム監督がサッカーに欠ける情熱は高く、ジェフの監督時代にはチームを常勝軍団へと引き上げただけの功績を持っています。
日本代表の監督に就任してからもオシムイズムを提唱し、さまざまな言葉を残していますが今回の引き分け試合には「お前らアマチュアか」と言ったそうです。
指揮官がいくら指示をだしても、選手がそれを消化仕切れなければサッカーの戦術は活かす事が出来ません。将棋のように駒が決まった動きをするわけではないので、いかに選手が指揮官の目指すものを理解できるかがポイントなのです。
もっとも今回は今までとはちょっと違った攻撃陣を用意し、オシム監督がジェフ時代から育てた巻誠一郎選手を使いませんでした。
確かに最近の巻選手はJリーグでも得点の機会が少なく、FWとしての数字は低いものになっています。それでも高い位置からの守備、運動量が多い選手なので相手にはプレッシャーを掛けられるタイプ。
今回あえて巻選手を使わない形を取ったのですが、オシム監督が初志貫徹して使い続けていれば、あるいは違う結果になったのかもしれません。
サッカー日本代表にとっては、まだまだレギュラーポジションが確定していない感じもあり、指揮官の目指す方向と選手の意思相通に掛けているともいえそうな状況。
連覇のかかるアジアカップですが、このあと連勝しないと1次リーグ突破も難しい状況。ジーコ監督で望んだワールドカップでは、初戦の敗戦から建て直しが出来ませんでした。
日本代表の次の相手は初戦でベトナムに負けたUAEだけに、絶対に勝たなければいけない状況。果たしてオシム監督はどのような戦術を組み立て、選手がどう消化するのか。じっくりと見て行きたいところですね。
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