今年のメジャーリーグオールスターゲームは、史上初となるランニングホームランを放ったイチロー選手がMVP。日本人初のMVPとなる陰で、ルーキー出場の岡島投手は登板させてもらえませんでした。
メジャーリーグベースボールと、日本の野球が違うのはこのあたり。メジャーのオールスターゲームは、わずか1試合の為に32人もの選手を招へいします。
当然のように試合に出場できない選手がいますが、それでも選手、ファンともに納得しているのがメジャー流。日本のオールスターゲームは、全選手を使おうと監督が頭を痛めるのとは対照的です。
最近では日本の野球に外国人選手が増えましたし、メジャーリーグとまでは行かなくても、世界から選手が集まっています。
それでも野球とベースボールの違いは、ビジネスとしての部分に大差があります。今回は岡島選手にしてみれば納得が行かない結果でしょうが、選手が球宴で体力的負担を負えば所属チームに影響が出ます。
つまりベースボールはチームオーナーが存在するビジネスなので、所属選手がケガや体力的消耗があってはいけない試合が、オールスターゲーム。
まあ日本でもお祭りだからとピッチャーが持ち球を披露しなかったり、バッターも真剣に振らない等はあるのかもしれません。それでもメジャーに比べれば、真剣勝負の状況は高いといえそうです。
アメリカは合理主義の国とも言われますが、オールスターゲームはあくまでもビジネスの一環。もしその試合で何かあれば監督、コーチは批判にさらされることになるのです。
岡島投手はブルペンで投げ込んでいたのですが、残念ながら登板機会が無く最後はベンチの後ろのほうで座ったまま。監督にしてみれば無理をさせられないし、相手打線との関係で投げさせられなかっただけ。
とは言え日本のファンからすれば、「なぜ投げさせないのか」といった思いは強いはず。野球とベースボールの違いは、こういったビジネスシーンが表に出るか出ないかにもあるのだなぁと、改めて感じさせる選手起用でした。
また最後にイチロー選手がMVPの表彰を受けるときにはスーツ姿で、通訳をつれて日本語で話したのも印象的。メジャーリーグが紳士のスポーツであり、世界中から選手を受け入れている事のアピールも、まさにビジネスとしての成功を示していたと思います。